くりっく365、非取引所取引とは?
FXには、以下の2つがあります。
1.くりっく365
2.非取引所取引
この2つ、何が違うのでしょうか。
一言で書くと、くりっく365とは「公設市場で行われる取引」のことで、非取引所取引とは「業者との相対取引」のことなのですが……。
ちょっと難しいですよね。
そこで、身近なもので例えてみると、上記の1はヤフーオークションでの購入に、上記2は友人からの購入に、たとえることができます。
ヤフーオークションで購入する場合、複数の人が出品しているので「妥当な価格」で購入することができますし、何か不具合があった場合、「主催者」のヤフーが対応してくれますよね。それと同じで、クリック365では、複数のFX業者が参加しているので「妥当な手数料」で取引ができますし、何か不具合があっても(たとえば、FX業者が倒産した場合など)、くりっく365の主催者である取引所が対応してくれます。
一方、友人から購入する場合、「妥当な価格」かどうかは「友人の人柄」に左右されますし、何か不具合があった場合は、それに対応してくれるかしてくれるかどうかも「友人の人柄」に左右されますよね。それと同じで、非取引所取引では、「妥当な手数料」かどうかはFX業者の信用に関係しますし、何か不具合があった場合も、FX業者の信用に関係します。
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くりっく365の税制面でのメリット
実は、くりっく365には、他にも大きなメリットがあります。
それは、FXなどで大きく儲けていれば・・・ですが、税金が安くなるということです(税制面での優遇措置があります)。
具体的には、非取引所取引で利益を出した場合は「雑所得」として申請しなければなりません。その際は、儲けた額が多ければ多いほど、税金も増加する仕組みになっています。しかし、くりっく365では、一律20パーセントになっているわけです。表にすると以下の感じです。
※)2005年時点のデータ
所得金額 | くりっく365 | 非取引所取引 |
---|---|---|
200万円以下 | 20% | 15% |
200万円超330万円以下 | 20% | |
330万円超700万円以下 | 30% | |
700万円超900万円以下 | 33% | |
900万円超1800万円以下 | 43% | |
1800万円超 | 50% |
……つまり、儲かっていれば、くりっく365の方が有利になるわけです。
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必ずしも、くりっく365の方がいいわけではない
ここまでを読めば、くりっく365の方が優れているような気もしますが、必ずしもそういうわけではありません。というのも、以下です。
1.くりっく365の方が手数料が安いということになっていますが、非取引所取引のFX業者も、くりっく365を意識しているので、必ずしも非取引所取引が手数料が高いわけではないこと
2.年で330万円以上儲けないと、くりっく365の税金面での優遇措置は発揮されないわけですが(200万円以下だと逆に、くりっく365の方が損)、年で330万円以上、儲けるには、かなりのスキルを身につけないといけません。つまり、儲けていない場合は、くりっく365の方が税金が高くなることもあるわけです。
FX業者は口座維持費が無料のところが多いので(ほとんどのFX業者は無料です)、くりっく365も含めて複数の口座を開設することをお勧めします。
ちなみに、くりっく365が生まれた経緯
外国為替保障金取引は「業者との相対取引」が原則です。つまり、「FX業者」と「あなた」の2者の間でなされる取引が原則なわけですが(つまり、非取引所取引ですよね)、法整備が整っていなかったために、悪質なFX業者が増加していました。
そこで、政府が、複数のFX業者が集まる「公設市場」を作ったわけです。それが「くりっく365」というわけです。
もちろん、非取引所取引の方も法整備が整ってきていて、悪徳業者は減少していますし、FX業者によっては「くりっく365」並みに信頼があるところも複数あるので、安心して取引ができるような状態になってきています。